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成年後見制度について

成年後見制度とは、精神上の障害(知的障害、精神障害、痴呆など)によって判断能力が十分でない方が不利益を被らないように、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。

なぜ、成年後見制度が必要なのですか?

成年後見制度が必要なケースは色々ありますが、相続の場合では相続トラブルを防ぐために成年後見制度が利用されます。本人の判断能力に疑いがある時期の預金の引き出しや遺言の作成があると、相続が発生した際にトラブルになるケースがあります。

よくわかっていない人に対して自分に有利な遺言を書かせたり、預金の管理などの名目で勝手に預金を引き出すという例は実際によくあるケースです。

成年後見制度を利用していれば、裁判所の監督の下で財産管理がされます。本人の判断能力がないと感じたら、成年後見制度を利用すれば、一部の親族によるそのような行為を防ぐことができます。

また、判断能力がなくなると不必要な高価なものをたくさん買ってしまい、財産を無駄に使ってしまう可能性も考えられます。判断能力の乏しい人を狙った悪質な販売業者も存在します。そのようにして相続の財産を減らしてしまったり、本人の意思と関係のない遺言書を書かされてしまわないために、相続対策の一環として成年後見制度が利用されることもあります。

誰が後見人になれるのですか?

後見人の候補者は親族や弁護士などの専門家が主に候補者となります。多くの場合は親族や弁護士などを後見人候補者として予め決めてから、家庭裁判所に後見人選任を申し立てます。

最終的には裁判所が後見人を選任します。

成年後見制度の手続き

成年後見制度の手続きは、家庭裁判所に申立てをして手続きを行います。申立てから審判までの期間は事案にもよりますが、おおよそ3〜6ヶ月程度と、かなりの期間が必要です。

期間だけでなく、選任審判申立手続や財産目録・収支報告書等の家庭裁判所への報告書類の作成など、多くの書類や手続きが必要になってきます。そのため、なかなか手続きが進まなかったり、書類がうまく揃わずになかなか手続きができないという方も多いようです。

成年後見人の選任審判申立手続の代行や財産目録・収支報告書等家裁への報告書類の作成支援を受けてくれる専門かも多くいます。詳しくはあなたの地域の専門家に問い合わせをしてみて下さい。

「法定後見制度」と「任意後見制度」

成年後見制度には、「法定後見制度」「任意後見制度」があります。

認知症、知的障害、精神障害などで判断能力がすでに低下している方には「法定後見制度」が利用できます。

一方、現在は支障がないけれど、将来法的支援の必要が生じた場合に備え、支援内容などを今のうちに信頼できる人に頼んでおきたいという場合は「任意後見制度」が利用できます。

法人後見

法人後見とは

「成年後見制度」では、法人が成年後見人等に就任することができます。少子高齢化や核家族化が進み、適切な後見人等候補者を見つけることが困難になることが予想されるため、法人後見は今後ますますニーズが増えていくものと思われます。

法人の適格性

成年後見人等に就任するための法人の資格は、法律上の制限は設けられていません。したがって、社会福祉協議会等の社会福祉法人、福祉関係の公益法人、特定非営利活動法人(NPO法人)等のほか、株式会社などの営利法人を成年後見人等として選任することも法律上は可能です。

家庭裁判所は、法人の事業の種類、内容、法人及びその代表者と成年被後見人等との利害関係の有無などを審査したうえで的確性を判断します。

法人後見のメリット

1.継続性
個人が成年後見人等に就任した場合、成年後見人の病気、事故、死亡等により、後見事務が適切に行われなくなる可能性があります。法人後見では、後見事務担当者を変更することによって、このような事態を回避することができます。

2.広い地域への対応
成年被後見人が遠隔地の不動産を所有しているなど、対象となる管理財産が広範囲に及んでいたり、成年被後見人等が老人ホームに入居した関係で居住地と自宅不動産が離れてしまったりしても、それぞれの地域の後見事務担当者が対応するという組織的対応をとることができます。

任意後見

任意後見制度とは

「任意後見制度」とは、本人が判断能力(契約締結に必要な能力)が十分なうちに、公正証書により「任意後見契約」を締結し、「任意後見人」となることを受任した者に対し、将来、自分の判断能力が不十分になった場合に、その契約を発効させ、自分の選んだ任意後見人に自分の委託した後見事務を行ってもらう制度です。

任意後見契約の内容

任意後見制度は、家庭裁判所の審判による法廷後見人制度と異なり、任意後見人の代理権の範囲から報酬に関する事項まで、当事者間で契約により自由に定めることができます。

委託する事務の内容は「生活、療養看護及び財産の管理に関する事務の全部または一部」とされており、具体的には「財産管理」と「身上監護」に大別されます。

1.財産管理

財産管理は、本人の資産や負債、収入や支出の内容を把握し、必要活相当な支出を計画的に行いつつ、資産を維持していくことです。たとえば、所有する不動産の管理、金融機関との預金取引、年金・家賃の受領、入院費の支払いなどがあります。

2.身上監護

身上監護は、本人の身上の世話や療養看護に関することです。たとえば、介護サービス利用契約の締結、老人ホーム入所契約の締結、入院契約の締結などがあります。
なお、本人との面会、情報収集、契約締結、費用の支払い、施設サービス・介護サービスにおける処遇の監視と異議申立てなどは身上監護に含まれますが、毎日の買い物、食事の支度や部屋の片付け、身体介護などは身上監護には含まれません(身体介護はヘルパーさんにお任せし、そのヘルパーさんを本人に代わって手配し、介護サービス利用契約を締結することが任意後見人の職務です)。

 

 

遺産相続の対策や相談は誰に依頼すればいいの?

トラブルの少ない遺産相続のためにはあらかじめ専門家に遺言の相談をしておくことをおすすめします。わからない点や複雑な手続きは専門家に相談・依頼することが望ましいでしょう。

FP(ファイナンシャル・プランナー):
FPは適切な専門家とのコネクションを持っていて様々な相談の窓口となってくれます。税金・法律・書類の作成など多岐に渡る相談はFPを窓口にするとスムーズです。

行政書士:
遺産分割協議書の作成や公正証書・契約書の作成は行政書士に依頼することができます。公正証書遺言や秘密証書遺言の証人として任命したり、相続開始まで遺言書を保管してもらうこともできます。

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相続税対策、相続税の計算や節税方法など、税金に関する相談は税理士に相談できます。

弁護士:
相続に関する紛争やトラブルの調停・解決、法律的な問題の相談は弁護士に依頼しましょう。

 

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